はじめに
「病気を治す」だけが医療ではない。日々の生活の中で、自分の体と心を整え、必要な支援を選び取る——それがセルフメディケーションの本来の考え方である。
1. セルフメディケーションとは何か（WHO）
“Self-medication is the selection and use of medicines by individuals to treat self-recognized illnesses or symptoms.”
出典：WHO Self-medication
https://www.who.int/teams/health-promotion/self-care/self-medication
2. 日本の政策としてのセルフメディケーション
2015年にセルフメディケーション税制（医療費控除の特例）が導入。軽度な不調は自分でケアし、重い症状は医師へという役割分担を促す。
出典：厚労省「セルフメディケーション税制」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
3. 個人輸入は“リスク行動”か、“自立行動”か
医療から排除された結果の自助的行動という側面。相談しにくい悩み、通院困難、費用問題への現実的対応。
4. セルフメディケーションの新しい形
オンライン診療やAI相談などのデジタル医療が普及。個人輸入も「記録・共有・透明性」を軸に医療とつながる方向へ。
5. 「整える文化」を育てる
記録で状態を見える化し、孤立せずにケアを継続し、自分のリズムを整える。個人輸入を“自分を整える文化的実践”と位置づける。
6. 社会への提言
・リテラシー教育の強化
・民間データの活用
・記録を軸にした支援設計
出典一覧
・WHO Self-medication https://www.who.int/teams/health-promotion/self-care/self-medication
・厚労省「セルフメディケーション税制」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
・厚労省「健康日本21」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html
・日本薬剤師会「セルフメディケーションの推進」 https://www.nichiyaku.or.jp/activities/selfmedication.html